なぜ政府記者会見で手話通訳士はマスクをつけないの?別室や隔離はできないの?

政府記者会見では手話通訳士が同時通訳を行なっている場面が映し出されますが、なぜかマスクをしていません。

政府記者会見では大勢の記者が、密室空間に集まっているため、手話通訳士がマスクをつけないことはかなりリスクがあると思われます。

にも関わらず、どの手話通訳士もマスクをつけていないので気になったので調べました。

なぜ政府記者会見で手話通訳士がマスクをつけないの?ノーマスクの理由

政府記者会見で手話通訳士がマスクをつけていない理由は、マスクが足りないのでも、マスク着用に対して無頓着なのでもありません。

耳の不自由な方へは手話と併せて「顔の表情」「口の動き」で、しっかりと情報を伝える必要があるからだそうです。

記者会見で政府の方々が頑張っている隣で、マスクをつけずに命がけで手話通訳をしてくれている人の存在がいるのです。

「手話通訳者がノーマスクなのは飛沫の可能性が低いから」「手話通訳士の危機意識が不足しているから」などと勘違いしている方もいるようですが、そうではないのですよね。

政府記者会見で手話通訳士がマスクをつけずに命がけで伝えてくれている姿

政府記者会見で手話通訳士がマスクをつけずに、情報を伝えてくれている姿です。

命がけで伝えてくださる姿に胸がいっぱいになります。


発した音声言語を手話に通訳すること、専門用語を手話に変換するということは、すごい集中力がいることだと思います。

さらに政府記者会見の内容を、間違えて表現してはいけない、間違えても訂正できないという緊迫した中で手話を行なっています。

筆者の友人は英語の日本語同時通訳の仕事をしていますが、極度の集中状態になるため、10分で通訳を交換していると言っていました。

そう考えると、手話通訳の現場は想像を絶する状況なのだと思います。

政府記者会見で手話通訳士を別室に隔離できない理由

政府記者会見で手話通訳士がマスクをつけられないのであれば、技術を駆使することで、別室から同時手話通訳を行えないものだろうか?と素人の筆者は考えてしまいます。

外国語の同時通訳の場合は、別室や隔離ブースから行う場合がほとんどと聞きますし…。

手話通訳士のリスクを少しでも回避できるのなら…と思うのですが、そう簡単な問題ではないのかもしれません。

手話通訳について、別室から通訳がダメな理由について調べましたが、特に決まりがあるような情報は見つけられませんでした。

リアルタイムで、その場で手話通訳を行なっていくとなると、一言一句間違えなく聞き取り手話で表現しなくてはいけません。

イヤホンで別で発された音声を聞き、解釈し、手話で表現することは難しいのかもしれませんし、さらに質疑応答となると、質問者と応答者の両方を手話で表現していくことになると、その場にいるという選択肢しか選べないのかもしれません…。

政府記者会見で手話通訳士が地味な服装をしている理由

政府記者会見で手話通訳士がマスクをつけずに、顔の表情や口の動きを使って情報を伝えてくれていますが、他にもしっかりと情報を伝えるための配慮がなされていることに気づいていましたか?

実は、地味な服装にすることで手話が見やすいよう配慮されているのです。

手話通訳士の服装に指定はないようですが、通訳する際に手や表情を見てもらうためにも、派手な格好を避けて、黒っぽい格好をしているようです。

改めて手話通訳士の服装を見てみると、政府記者会見でも黒やグレー、紺など地味な服を着用されていることに気づきます。

手話通訳士は難易度の高い試験

厚生労働省が認定する「手話通訳技能認定試験(別名「手話通訳士試験」)は、手話通訳に関する資格の中で最も難易度が高いといわれています。

資格試験は、学科試験と実技試験の両方があり、合格率は10%〜30%くらいです。

受験資格は20歳以上であることだけですが、現実的には、実務経験が3年以上ないと合格は難しいといわれているようです。