人気タレントが、強制わいせつの容疑で書類送検されたことが取り沙汰されています。
そのニュースを見ていると、疑問に思うことがあります。
それは、
なぜ今になって書類送検なのだろう?
ということです。
被害に遭った方は、被害後にすぐ被害届けを出したのに、時間が経ってから書類送検になるのはどうしてなのでしょうか?
調べてみました。
お好きな内容からどうぞ
すぐ被害届けを出したのに書類送検までにはタイムラグがある
人気タレントが、強制わいせつの容疑で書類送検された件の報道で気になる点があります。
それは、事件が起きた日から、書類送検されるまでに、数ヶ月という時間が経過していることです。
被疑者(事件を起こしたと疑われる人)が、事件後も被害届のことを知らずに通常通り仕事をしていたとのことで、その点が指摘を受けていますが、そんなことって本当にあるのでしょうか?
被害届けを出してから、数ヶ月後に書類送検になるのは一般的なのでしょうか?
被害届を出してから書類送検されるまでの時系列
事件が起こり、被害届を出してから書類送検されるまでに、どのくらいの時間差があったのでしょうか?
人気タレントの事件の経緯を振り返りながら、「事件」「被害届の提出」「書類送検」の時間関係を見ていきましょう。
2月12日 事件が起こる
同日 事件後にその足で被害届を出しに警察署へ
3月末 被疑者本人に警察から連絡が入る
4月20日前後 書類送検
4月23日 示談成立
4月25日 事件が明るみに出る(NHKが17時に報道)
4月26日 被疑者の記者会見
まとめると…
事件が起こり、被害者が、その足で警察署に被害届を出したのが、2月12日。
被害届の提出から約1ヶ月半後くらいに、被疑者に知らされる(警察から被疑者である人気タレントに連絡が入る)。
被害届の提出から約2ヶ月後に、書類送検。
ということですね。
事件が起きて、被害届を出してからも、被疑者が、2ヶ月もの間のうのうと(言い方は悪いですが)生活していたといことですよね。
これって、被害者からしたら、とてもコワイことだと思うんです。
逆に、被疑者からすれば、事件が起きてから2ヶ月も普通に生活できていたら、突然警察に呼び出されるというのは寝耳に水な話です。
被害者にとっても、被疑者にとっても、これだけの時間経過があることは、決してプラスではないと思うんです。
では、なぜ、こんなにも時間がかかってしまうのでしょうか?
なぜ今?!すぐ被害届けを出したのに時間が経ってから書類送検になるのはどうして
人気タレントが、強制わいせつの容疑で書類送検されたのは、被害者が被害届を出してから、2ヶ月以上も後でした。
なぜ、時間が経ってから書類送検されたのでしょうか?
被害者が、警察に被害届を出した後は、次のような流れて手続きが進んでいくようです。
- 被害者が被害届を提出
- 被害者の事情徴収
- 被害者の証拠品の提出
- 被害者の実況見分の立会い
- 被疑者を取り調べしたり証拠を集める
- 被疑者を書類送検
(茨城県警察 警察に届出した後の手続き 参照)
被害者が、警察に被害届を出しても、すぐに被疑者を逮捕するわけではないようですね。
それは、担当の警察官が、被害の状況や犯人の様子について詳しく事情を聴き、犯人の特定や犯行を証明する必要があるからです。
被害者の声に耳を傾け、事実を確認し、証拠を集めます。
そして、被疑者側の取り調べも行い、事実確認をします。
誤認逮捕を防ぐためにも、慎重に進めていく必要があり、そのために時間もかかるのではないかと思います。
ここからは、さくらこの推測ですが…
今回の件は、証拠が集めにくいケースだったのではないでしょうか?
そのために時間がかかったのだと思います。
被害者の証言と、被害者友人の証言しか証拠がなく、捜査に非常に時間がかかってしまったのだと思います。
詳細な調書を作るために、「いつ・どこで・だれが・だれに・何を・どんな風にされたか」など、被害者と被害者の友人に取り調べを行った可能性が高いです。
それは、物的な証拠がない場合、調書が証拠となり、裁判で重要な資料となるためです。
また、今回のような社会的影響が大きいタレントが相手となった場合、間違って逮捕してしまうことのリスクは大きく、より慎重に進められたのではないでしょうか。
さらに、今回の件では、被疑者側の事情聴取では、おそらく「あまり覚えてない」と発言していると思われるので、それも時間がかかった理由の1つではないでしょうか?
日本の捜査機関は、被疑者本人の供述を非常に重視しているそうです。
そのため、容疑を「覚えていない」と話す被疑者に対しては、「どのように犯罪を認めさせるか」という方向に動くことが考えられ、被疑者の「やりました」という供述を得るために時間がかかった可能性もあります。
弁護士監修の「刑事事件弁護ナビ」というサイトに、被疑者の事情聴取について書かれていましたので、ご紹介しますね。
否認している場合は時間も伸びてきます。
1日の取り調べを行える時間は8時間というルールが有ります。(やむを得ない場合は延長もされます。)
容疑を否認すると取り調べの雰囲気は一変します。
上記のように怒鳴ったり、大きな音を出したりすることは無くても、「どうやって自白をさせるか」という心理戦が始まります。
捜査機関は、延々と同じような取り調べを繰り返し、被疑者が心折れて自白をすることを狙ってきます。被疑者には、いつ終了するということは教えず、同じようなことが繰り返されます。
おわりに
人気タレントが、強制わいせつの容疑で書類送検された件で、被疑者(事件を起こしたと疑われる人)が、事件後も被害届のことを知らずに通常通り仕事をしていたというのが信じられませんでした。
けれども、調べていく中で、被害届を出したからといってすぐに書類送検になるわけではないということが判明しました。
事件後に被害届を出されたことを知らずに、2ヶ月ほど仕事を続けたというのは、嘘ではないようです。